Akit Physical Therapy Association

子供のリハビリテーション 子どものリハビリって? ~1~

1.こどものリハビリって?

「リハビリテーション」という言葉は少しずつではありますが、皆さんに知って頂いてきているような印象を受けます。骨折や脳卒中後の機能的回復を図るこ とや、「心のリハビリ」といった言葉からも分かるように、リハビリという言葉には「(一度獲得していたものを)再び」という意味があります。
さて、こども達は?といったら「再び」というよりは「新たに」獲得することが多いように思いませんか? 実は赤ちゃんはお母さんのおなかの中で色々な能 力を獲得してきていることが分かっています。ゆびしゃぶりをしたり、手と手を合わせたり、見た物に触れてみたり・・・。赤ちゃんはお母さんのお腹の中にい るときから生まれ出たあとの準備に余念がないのです。いざ生まれてくると、一度獲得したはずのものが重力などの影響を受けて一時的に失われるので、そう いった意味では赤ちゃんにも「再び」という言葉が当てはまるかも知れません。
このようにこども達のリハビリは新しいことの獲得と再び獲得することの両面から考えていかなくてはなりません。
こどものリハビリでは、主に運動の発達に遅れがみられるこども達に対して寝返りやお坐り、ハイハイや歩行などの運動の発達を促しています。くつなどの装 具や、車椅子、杖などの介助器具を用いたりすることもあります。こどもが対象であるため、遊びを取り入れながら運動発達のお手伝いをしています。運動獲得 のプロセスと、日常生活や興味、目的に即しているかどうかを重視して行わなければなりません。

2.どんなこども達?

運動発達の遅れには様々な原因がありますが、次のような疾患も原因として考えられます。

1)脳性麻痺: 成熟途上にある脳の欠陥または損傷による運動や姿勢の障害。麻痺があり、したいと思っても思うように動かせない為に、運動のパターンや運動感覚を誤学習し、代償的な姿勢や運動のパターンとなりやすい。

2)筋ジストロフィ-症: 発達途中で次第に筋肉の萎縮が起こり、筋力低下により運動が困難になったり、関節の変形が生じたりする。呼吸筋が弱くなると肺活量が低下したり、体調を崩しやすくなる。

3)ダウン症候群: 体の筋緊張が低く、体がやわらかい。小さい頃は重力に抗して身体を動かすことが苦手で自発運動が乏しく、運動発達が遅れやすい。飛び越し現象(這う前に歩く)などの特異的な運動発達がみられる。

4)二分脊椎: 両下肢の麻痺、感覚障害がある。脊髄の障害のレベルによって獲得する移動手段が異なる(歩行器、杖、独歩など)。筋力のアンバランスにより、脊柱、下肢に変形が起こりやすい。

5)精神運動発達遅滞: さまざまな原因で知的な遅れがあり、環境への自発的な働きかけが乏しく、また、筋緊張が低下していることが多い。重力に抗する運動が苦手で、持続的に姿勢を保持するのが難しい。運動発達が遅れやすい。

原因はさまざまで上記以外の疾患のお子さんもたくさんいらっしゃいます。いずれにしても運動の遅れがあるこども達は理学療法の対象になっています。

3.どんなことをみているの?

障害によってさまざまな練習が必要となりますので、次のような点をみるようにしています。
1)自発運動の観察(どんな動きをしているかな)
2)おもちゃや人に対する反応(どんなおもちゃに興味があるのかな)
3)筋の緊張(からだは固いのかな、やわらかいのかな)
4)運動のパターン(どんな動きが得意なのかな)
5)関節や皮膚の柔らかさやかたさ(痛いところはないかな)
6)家族のこどもへの関わり方(どんな風に遊んでいるのかな)
7)日常生活の過ごし方(一日をどんな風に過ごしているのかな)

このようなことを観察させていただいて、また、家族の方からお話しや希望を聞きながらプログラム、方針を決定します。しかし、こどもは日々変化しますので、毎回、観察(評価)とプログラムの決定、変更の繰り返しであるといえます。

4.「できること」と「できないこと」

プログラムを立てるにあたっては、「できないこと」へのアプローチが主となりがちです。できないことを指摘するのは案外簡単です。私達だって「~ができ ないな、苦手だな」と思うことが多々あります。人の批判をすることもTVでよく見かけます。問題は「できること(できていること)」と「できないこと」の 両側面をみることができるかどうかです。
運動に遅れのあるお子さんは動き方に特徴がある(例えばつま先立ちで歩くなどの)場合が多いのですが、それは「(原因があって)そうならざるを得ない状 況でそうなっている」のであって、そうやって社会に適応し、遊びや興味の欲求の充足を計っているのです。「できること」をもっと認めてあげることが自分も 含めて必要だと感じています。その一方で、もっとこうしたら楽に遊べるよ、もっとこうしたらできるよといったことを提案していかなければなりません。「で きないこと」に対しては、何が原因でできないのか、どうしたらできるようになるかを順序立てて考えるようにしています。

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