Akit Physical Therapy Association

「脳卒中の痛み~その2~

脳卒中後の痛みは
1)脳卒中による麻痺や筋力低下から二次的に生じるもの(末梢性の痛み)
2)脳卒中そのものによるもの(感覚の中枢が障害されて生じる中枢性の痛み)
3)脳卒中以外の合併症から生じるもの
に大別されます。

前回は1)の二次的に生じる痛みについて述べましたので今回は2)、3)についての概要と治療について理学療法士の立場から述べます。

まず 2)脳卒中そのものによるもの(感覚の中枢が障害されて生じる中枢性の痛み)ですが、脳の中で感覚に関係した部分(主に視 床と呼ばれる部位)に病変があるときに起こります。何もしていないのに絶えず痛みがあったり、撫でたり摩ったり、圧迫したりというような、普通なら痛いは ずのないのにそのとおり感じられず、激痛に感じたり、また、風や気温の変化、着物の縁が皮膚にあたっただけで痛みが走ったりなどする場合もあります。患者 さんによっては寒くも無いのに手袋や包帯をしていたりします。

そもそも痛みを感ずるメカニズムは、痛みという刺激が、身体中至るところに張り巡らされている感覚受容器(センサー)でうけとられ、その信号が感覚神経 のケーブルを通り、脊髄を経由し脳の視床という所で情報処理され、最後に大脳皮質の感覚中枢に伝えられ痛みとして感じられると考えられています。普通の痛 み、すなわち末梢性に痛みはこのように痛みセンサーの刺激で生じますが、中枢性の痛みの場合は、手足の末梢には痛み刺激が加わらないのに、視床や大脳の情 報処理異常のために、いわば「脳の中で」痛みを感じでしまうわけです。ですから、この中枢性の痛み対しては鎮痛薬はあまり効かないといわれ、他の薬物療法 や重度な場合は脳外科的治療が主体となっています。理学療法では医師の指示のもと温熱療法やマッサージなど行なう場合もありますが、一次的に軽減する場合 もありますが、変わらない場合も多いです。あくまでも脳の中の問題で理学療法は間接的な治療でしかありませんが、個々の患者さんに合わせて、日常場面で余 計な刺激が加わらない工夫や対処法などを指導できますので、ご相談下さい。

3)脳卒中以外の合併症から生じるものとしては、糖尿病による末梢神経障害、骨粗鬆症や脊椎の変形による神経への圧迫によるもの、圧迫骨折、変形性関節症などがあります。

以上、痛みの原因については色々な原因があり治療もそれぞれ異なります。早い段階で専門医の診察と治療を受けることをお勧めします。また、痛みにばかり 固執し精神的に参ってしまわないように、周囲の方の配慮や、楽しいことに目を向けるなど機分転換も大切です。

中通リハビリテーション病院 リハビリテーション科
理学療法士 大場みゆき

ページのトップへ戻る