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「リウマチ」 秋田魁新報社朝刊(平成11年10月24日)健康欄 掲載記事

リウマチという病名は、日常会話ではあいまいのまま安直に使われているように思えます。神経痛リウマチとひとまとめにして呼んだり、手足の関節や腰など が痛むと何でもリウマチだと思い込んでいる人もいます。俗に言われているリウマチとは、特別な治療の必要がない、お年寄りの病気としてとらえられているの ではないでしょうか。

専門的な立場でのリウマチとは、正確には慢性関節リウマチのことをいいます。慢性関節リウマチは、一過性の軽い病気ではなく、はっきりとした原因が未だ に不明で、根本的な治療が確立していない病気なのです。発病は二十代から六十代と広範にわたり、なにも高齢になってから起こるわけではありません。
とりわけ多いのは、三十代から四十代にかけての女性です。リウマチは、結婚以降の出産や育児など、生涯で最も多忙な生活を送っている年代を襲うのです。 発病後は、多くの場合、高齢になるまで長期にわたって病気と付き合わなければなりません。付き合いをやめ、治療をしないでいると、全身の関節が変形して固 まり、寝たきりになってしまいます。
寝たきりにならないための条件は、病気とともに生活していくという前向きの姿勢です。リウマチは、現在では進行をかなり抑えられるようになりました。患 者自身が積極的に治療へ参加することで、治療効果もより上がります。痛みになんか負けないという気持ちで、病気と共生していくことが必要です。
病気との共生のコツは、安静と運動のバランスです。リウマチは、症状が重くなるときと軽くなるときが交互に訪れます。痛みなどの症状が強い時期には安静に重点を置き、症状が落ち着いてきたら運動に重点を置いて生活することが大切となります。
症状が強いときの安静ですが、必ずしもベットに寝ることを意味しているのではありません。痛む関節を固定したり、サポーターなどで保護することを基本と します。さらに、安静にしている関節は、全く動かさないわけではありません。変形して固まるのを防ぐため、ゆっくりでよいですから、一日に一回は動かせる 範囲まで動かすようにします。
強い症状が収まってきてから行う運動は、疲れが残らない程度に毎日続けるのが理想的です。一口に運動といってもいろいろありますが、関節の動きを良くす る方法の一つとして、リウマチ体操があります。具体的なやり方は省略しますが、重症な場合には、寝たままでも行える安全な体操なので、自宅でも無理なく行 えます。
適度の運動は、関節の機能を保ち、日常生活をスムーズに送るためには非常に大切です。ぜひ、リウマチ体操などの運動を自宅で毎日続けてみてください。治 療のすべてを病院に任せるのではなく、自らも治療に参加することは、リウマチを克服し、生きがいのある人生を築くための足掛かりになると信じております。
※この文章は秋田魁新報社朝刊(平成11年10月24日)健康欄に掲載されたものです。

市立秋田総合病院 
リハビリテーション科主任 高橋仁美

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